約 1,958,665 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1728.html
Dさん宅にて~朝ご飯その他 「「「いただきます」」」 「えっと……いただきます」 こっちは今、朝ごはんをご馳走になっている。 女の子からの忠告(という名の脅し)や自分のアホさ加減に軽く涙目になっていると、中心となってご飯の用意をしていたチャラい感じの女の人(この人もなんか見たことあるような気がする)から「飯、一応用意したけど………食えるか?」と声をかけられ、ありがたくいただくことになったのだ。 食卓に座ったまま右を向く。そこにはチャラい感じの女の人。 雰囲気に覚えがあるし、絶対にどっかで見たことあると思うんだけど………おかしいなあ。 左を向く。そこには、不機嫌そうな女の子。 黒服さんとのセットで思い出したんだけれど、将門様の宴会で見かけたあの子だ。 正面を向く。そこには、命の恩人の黒服さん。 ちら、と目が合った瞬間さっきのことを思い出し、顔が一気に熱くなる。 というか、この人はなんで平然としてるんだろう。まあ、それで助かってもいるんだけど………これが大人の余裕というやつか。 そんなことを思ったと同時、突き刺さる敵意―――というかむしろ殺気―――を感じた。熱かった顔が冷める。怖い。 ギギギ、と音がしそうなくらいぎこちない動きでまた左を向くとそこには、可愛らしい小さな身体に憤怒の仁王を背負ったかのような迫力をみなぎらせてこちらを睨んでくる女の子が。 文字通り必死にぶんぶんぶんと首を振り、決して他意はないことを伝える。 …………なんだか、最近出会った女の子には確実に脅されている気がする。姫さんしかり、××さんの妹ちゃんしかり。 なんだなにがいけないんだ、と軽く涙ぐみながら考えこんでいると、 「―――ところでお前、一体どんな怪我してたんだ? 黒服の薬でもすぐには治らないって」 そう訊いてきたのはチャラ女さん(便宜上そう呼ばせてもらうことにした)。 気持ちはわかる。いきなり知らないやつが死にかけで押しかけたら、誰でもそういうことを訊きたくなる―――というか、訊くのが普通だろう。 それにしても怪我、かあ。 憶えてる限りでは、確か…………。 「えっと………全身を刃物で滅多刺しにされて、脇腹は肉が抉れてて……あとはあばら骨が八本だか九本と内臓がスプラッタ、左腕がスクラップになってたくらい、かな?」 「………私が見た限りでは、それに加えて全身に大火傷を負っていました」 付け加えてくれたのは黒服さん。 それを聞いて思う。 本当にこっち、よく生きてたなあ………全くもって契約様々だ、と。 ふと、女の子とチャラ女さんの様子を窺ってみると、 「「…………」」 二人とも、軽く絶句していた。 女の子が先に口を開く。 「………あなた、一体どんなのとやりあったら、そんなことになるのよ?」 それを聞いて、こっちは説明していいものだろうか、と少し悩んだ。 が、そもそも彼らをなんらかの形で巻き込んでしまう確率はあるんだし、それにこの黒服さんは『組織』に属しているようなので早めに伝えといた方がいいか、と結論づける。 「………少し、込み入ったところとかもあるので、ちょっと長くなるかもしれないんですけど……いいですか?」 三人ともが頷いてくれたのを確認し、話し始めた。 「………そうですか。そんな、都市伝説の契約者が………」 「黒服の……『組織』の方でも知らなかったのか?」 「ええ。………そんな力を持った契約者なら、『組織』も捕捉はできるはずだと思うのですが」 「も、ってことは、『首塚』でも把握してなかったの?」 「……ああ。そんなやつ、聞いたこともなかった」 深刻そうな表情で話し合っている三人。 こっちが話したことは、こっちが知っている限りのあの男の情報。 能力や見た目、性格、いずれこの街の都市伝説や契約者たちをまとめて喰らおうとしていることや―――こっちにとっては妹の仇であること、など。 「たぶん、なんらかの都市伝説―――大方、《神隠し》みたいなのだと思いますけど―――を使って気配を消してるんだと思います。相手の能力が能力なので、どれくらいの都市伝説の力を扱えるのかはわかりませんけど………」 「………なんというか、とんでもないチート野郎ね、そいつ。質の悪さなら《夢の国》以上だと思うわ……」 顔をしかめ、そう呟く女の子。 ……本当にその通りだと思う。相手の能力を取り込むとか、どこの魔人○ウかと言ってやりたい。それかアー○ードの旦那。 まあそれは置いといて、お願いしたいことだけは確実に伝えておく。 「……あいつは"いずれまとめて相手してやる"って言ってたので、それまでは大丈夫だと思います。………"いずれ"がいつになるかはよくわからないですけど。とりあえず、仲間の人にそれを伝えておいてくれますか?」 「ああ、わかった。伝えとく」 「はい、わかりました………ですが、あなたはもしその時がきたら、どうするおつもりですか?」 黒服さんが、そう訊いてきた。 その表情からは、この黒服さんがこっちのことを心配してくれているのがわかる。 ………この人は本当に優しい人なんだな、と思った。 全身傷だらけのこっちの姿は、厄介の種にしか見えなかったはずだ。それなのにわざわざ治療をして、こうして心配してくれる。 ―――こんな人に出会うことができたというその一点においては、あの男に少しは感謝すべきなのかもしれない。絶対にしないけど。 ふとそんなことを考えたあと、黒服さんの問いに答えた。 そのことへの答えは、昨日すでに出してある。 「それ、なんですけど。こっち一人ではやつには敵いませんでした。同居人たちといっしょでも、結果はそう変わらないと思います。………それでも、あいつを野放しにはできません。だから―――」 ―――いっしょに戦ってください、と。 頭を下げ、心の底から頼み込む。 「…………それは、相手が妹さんの仇、だから?」 女の子が訊いてきた。 一つ頷いて素直にそれもある、と認め、 「でも、それはいいんです。確かに妹のことはその通りで、あいつが憎くて憎くてたまりません―――できることならこの手で五体バラバラに引き裂いて、生きたまま食ってやりたいくらい。……でも、それはそれなんです」 これは、自分の思っている通りのことを、そのまま出しているだけ。 自分でもよくわからないし、支離滅裂気味で―――それでも、こうするのが一番伝わりやすいと思った。 「こっちがこの街に来て、まだ二ヶ月も経ってないですけど……それでも、いろんな人と会いました。友達になってくれた人もいます。あなたたちは命の恩人です。みんなみんな、こっち自身にとっては大切な人たちです。…………そしてあいつはその人たちを、文字通り食い物にしようとしている―――だから、戦います。戦って、殺します。…………もう、好きな人たちに死なれるのは、嫌だから」 そのために協力してください、と言葉を繋ぎ、こっちのお願いは終わった。 ………自分で言っていて、情けなくて涙が出そうだ。 護りたいものがあるのなら、自分の力で護り通すべきなんだ、本当は。 それができないから、こうして命の恩人にすら恥知らずにもすがることになる―――本当に、情けない。 ……その時、下げ続けていた頭にぽん、と手を置かれたのを感じた。 「―――そんなに、思い詰めるなよ?」 そう声をかけてくれたのは、チャラ女さん。 「そもそも協力するも何も、これは俺達の問題でもあるわけだしな?」 「………?」 ……どゆこと? 首を傾げると、何で気づいてないんだよ、とチャラ女さんは苦笑して、 「だってそいつ、この街の都市伝説を全部食っちまうつもりだったんだろ? だったら遅かれ早かれ、俺達も標的になってたってことだ」 「…………あ」 「だから、その危険を事前に都合のいい形に変えてその上報せてくれたお前に、"協力してくれ"なんてわざわざ頼まれる筋合いはないぜ?」 むしろ感謝したいくらいだ、とそう言って微笑むチャラ女さん。 ………そういえば、そうなのか? 確かに冷静に考えてみるとそういうことで、巻き込むもなにもないことな、ような、気も………? 「……思い詰めてるとな、気付けるはずのもんにも気付けなくなるもんだ。そう一人で背負い込むもんじゃないぞ?」 まだ子供なんだからな、とチャラ女さん。 なぜか、目頭がぐっと熱くなる。 (……………自分では、全然大丈夫なつもり、だったんだけどなあ……) あの男と再会して、なんとなくわかっていたことだけどボコボコにされて、死にかけて。 どうも自分でも気づかない内に、相当まいっていたようだ。 かけられた優しい言葉は、ゆっくりと傷んだ心に染み込んでいって―――。 「あ、あれ? お、かしいな。ひっく、なんで、こっち、泣いて……?」 ―――こっちがしゃくりあげて泣き始めるまで、そう時間はかからなかった。 ………たっぷりと泣いて、朝ごはん食べて、一応気持ちは落ち着いたの、だが。 (…初対面に近い人のまえで泣くなんて、恥ずかしすぎる……!) 今、とても、恥ずかしい。 なにが恥ずかしいって、さっき泣いてからなんかチャラ女さんと女の子の視線が優しくなったことが特に。 年上なチャラ女さんはともかくとしても、こんな小さな女の子に慈しむような視線をもらうのはどうなんだろう、かりにも一人の男として。 ………余談だが、こっちが実は男だということは隠させてもらっている。いろいろと不都合がっていうか精神安定上の問題で。 「………あの」 「ん、なんだ?」 てきぱきと家事に励むチャラ女さんに話しかける。 ちなみに黒服さん(Dさんというらしい。Hさんの同僚さんなんだろうか?)は仕事があったらしく、少し前に出かけてった。 「えっと、……もうそろそろ、家に帰ろうかと。同居人たちも心配してると思いますし」 「お、そうか。………いや、身体は大丈夫なのか? 酷い怪我だったんだし、なにより今顔色悪いぞ?」 「…………マジすか」 ほれ、と差し出された鏡に映っていた顔は、確かに少し青かった。 怪我は治っても、失った体力や血などを再生するのにはもう少しかかるようだ。 「ここで帰してもし倒れられでもしたら黒服が助けた意味もなくなっちまうし、もう少し休んでたらどうだ? 今日は一日ゆっくりする予定だったしな」 朝のニュースによると、今日から十二月並みの寒気が学校町あたりに被さるそうで、そんな中で街中で気絶とかしたら本当に洒落にならない。せっかく助けてもらった命をドブに全力投球するようなものだ。 「えと…じゃあお言葉に甘えて、もう少しいさせてもらってもいいですか?」 「おう、いいぞ」 「……まあ、仕方ないわね」 チャラ女さんはこくりと、女の子はしぶしぶといった感じで、それぞれ頷いてくれた。 そして手を差し出して、 「じゃあ改めてよろしくな。俺は《日焼けマシンで人間ステーキ》の契約者だ。あと、《厨二病》と黒服とも契約してる」 「私は《はないちもんめ》の契約者よ。私も黒服と契約してるわ。……よろしくね」 ………親子じゃなかったのか。三人ともお互いのことをすごい信頼してるようだったし年齢的にも納得できたので、てっきり父母娘の三人家族なのかと思ってた。 とそんなことを考えながら、しかしもういい加減学習したので口には出さず、差し出された手を握り返す―――握手、親愛の証だ。 「こっちは《ジェットばあさん》、《地震発生装置》、《重いコンダラ》の契約者です。……こちらこそ、よろしくお願いします!」 休ませてもらうとは言っても本当に同居人たちは心配してるだろうし、迷惑かけまくるのもアレだから早めに帰った方がいいよなあなんて思いながら、こっちは今生きていられる幸せを噛み締め、微笑んだ。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/340.html
このページはこちらに移転しました 都市伝説 作詞/90スレ478 作曲/107スレ571 嘘だっっ 嘘だっっ でもこぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ 音源 都市伝説 (このページは旧wikiから転載されました)
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2161.html
都市伝説で10のお題 「電子レンジの猫」 俺は、猫が好きだ 猫がとてもとても好きだ だが、住んでいるマンションはペット禁止 だが、どうしてもどうしても、飼いたくて 最近になって、とうとう、猫を手に入れた そいつは普通の猫じゃない だから、マンションで飼っていても大丈夫(の、はず)だ これで、夢だった猫と一緒に炬燵でのんびりごろごろだらんができる!! ……そう、思っていた時期もありました 「タマー」 「うにゅ?」 「頼むから、電子レンジの中で寝るのやめてくれ」 うにゃーん、と鳴き声あげて、電子レンジの中で丸くなるタマ …こいつは、「電子レンジの猫」と言う都市伝説 そのせいか、炬燵の中よりも電子レンジがお気に入りのようで ……ペット可のところに引っ越してでも、普通の猫で妥協すべきだっただろうか ちょっぴり、後悔するのだった 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1822.html
クリスマス~花子さんの契約者(獄門寺君)宅にて 仮。いずれ編集します 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/806.html
小ネタ 将門様からの招待状 「ふゎぉやっほおおおう!!」 祭りが終了したその翌日、こっちは超ハイテンションで朝を迎えた。 正直同居人たちは迷惑かもしれないが、そんなことは気にしていられない! なぜなのか? それは―――。 「―――マジものの将門様キターーー!!」 そう。 昨夜の夢で、将門様が出たからである。 生首だったが無問題! グロは別に嫌いではない。むしろその断面を覗こうと躍起になっていた。 ていうか「宴会やるぞー」的なこといってたってことは、生で将門様に会えるってことだよね!? 昔から"侍"みたいなものが好きだったこっちにとって、本物の"侍"である将門様に会えるというのは、とても心惹かれることである。 そのうえ、(たぶん)たくさんの都市伝説関係者に会えるだろうから……。 「断る理由はないぜやっはー!」 一人盛大に宣言して、視線を感じてふと横を向くと、パジャマ姿のクイちゃんがいた。 さすがにうるさかったか。そうさっきの行動を反省しつつ、クイちゃんに謝ることにする。 「ごめんねクイちゃん。うるさかったよね」 「…ううん、いい」 でもきをつけて、とたしなめられる。 やってしまったー、とちょいへこんでいると、なぜかクイちゃんが枕元に立ったままなことに気付いた。 (どうしたんかなー…まさか、実は怒ってるとか!?) などと深読みして頭を抱えたりしてみるが、怒ってくる様子もない。 ますます深まる謎に首をかしげ―――ふと、思い付いた。 被っている布団を持ち上げ、自分の隣をぱんぱん叩き、 「えーと、クイちゃん。入る?」 と聞いてみる。すると、 「………」 と、クイちゃんは無言で布団の中に潜り込んできた。 こっちはクイちゃんに持ち上げていた布団をかけると、軽く抱きしめてやる。 胸元に顔を押し付けてくるクイちゃん。 その小さな体の暖かみを感じながら、こっちはまた目をつぶる。 せっかくクイちゃんと一緒に寝られるのだ、もう少しくらい寝ていてもいいだろう。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/644.html
秋祭り2日目~夜3 月明かりが降り注ぐ中、先程の戦いを思い出す。 結局自分は、誰かの役に立てたのだろうか。 プンバ○の突進の威力は凄まじかった。 ガードに使ったローラーはぐしゃりとひしゃげ、なおも突進は続く。 しかし、ローラーを蹴散らすために使われた一瞬のうちにホッピングしてビルを駆け上がり、その突進を回避した。 ・・・そこからはもう、体力との戦いだった。 左手にはローラーを、右手には鎌を。 それぞれ生み出し、さらに鎌には振動を加え、その二つを一気に投げ飛ばす。 狙うのはハ○トの女王。 トランプの兵隊たちを生み出している彼女を落とせば、光明は見えてくる。 だが、飛び上がったティモ○とプ○バァによりどちらともが軌道を逸らされ、見当違いの地点を破壊する。 まともにやって勝てないのなら、まともにやりあわなければいい。 今のこちらの戦法は、チキン野郎と言われてもしょうがないレベルのものだ。 《ジェットばあさん》の機動力を存分に生かしてビルとビルの合間を三次元的に駆け回りつつ、隙を見てローラーと鎌を投擲する。 高機動力の移動砲台。 こういえば聞こえはいいが、所詮逃げて攻撃、逃げて攻撃の繰り返しに過ぎない。 それに、この戦い方は力の消費が激しすぎる。 とある事情によって都市伝説との親和性が人並みはずれて高いとは言え、限界はあるのだ。 そうして戦って、どのくらい経ったか。 とうとう限界が来て立ち止まってしまったこっちに、しかし来るはずの攻撃は来ない。 見ると、マスコットたちが棒立ちになっていた。 意味がわからないが、このチャンスを逃す手はない。 最後に力を振り絞り、叫ぶ。 「思い込んだら、思い込んだら、思い込んだら、思い込んだらっ!」 一気に四つのローラーを発生させ、体ごと回転させながら投げ込む。 四つの鋼鉄の塊は、直線状の黒服とトランプ兵士達をなぎ払いながら着弾し。 その周囲のアスファルトごと、マスコットたちを打ち砕いた。 なぜか再生しなくなっていたマスコットたちと、消えてなくなっていた結界。 あれはきっと、どこかのだれかが、《夢の国》本体を撃破した結果なのだろう。 つい、思ってしまう。 ―――果たして自分が戦ったことに、意味はあったのだろうか、と。 頭を振ってそんな考えを払う。今更そんなことを考えても仕方がない。 マンションに辿り着き、自宅の扉を開けると、みぞおちにタックルが飛んできた。 ごふ、と息を吐き倒れこむ。目線を下げると、そこにはクイちゃんの姿があった。 その小さな頭を撫でていると、もうひとりの同居人が顔を出す。 おかえりなさい、というその人物にこっちは、ただいま、と返す。 なにかいろいろとあった今日だが、これでもう終わりだ。 この期に及んで、変な問題は起こらないだろう。 思わず顔に笑みを浮かべて。 こうして、こっちにとっての《夢の国》との戦いは終わった。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/647.html
秋祭り3日目~昼頃 少年は同居人二人とともに、秋祭りが行われている街中を歩いていた。 昨日の《夢の国》との戦いの爪痕はちょくちょく見かけるが、それでも祭りは中止されず、大勢の人が楽しそうに笑っている。 本来ならばどこにでもある“当たり前の風景”であるはずのそれ。 でも今それを見ていると、なんだか顔が綻んできて―――。 「―――いやぁ、本当に、よかったなあ」 小さく呟く。 昨日のあの戦いで、こっちの体はボロボロだ。 地面を踏みしめる度に身体中がギシギシと悲鳴をあげるし、都市伝説の能力にしても使いすぎで、当分は全力の半分ほどの力しか出せないだろう。 それだけの代償を払っても、結局自分がなにかの役に立てたのかはわからない。 ―――脳裏に浮かぶのは昨夜、満月に照らされたあの光景。 月の光が降り注ぐなかで、再生能力を失ったマスコットたちは、自らが倒されることを望んでいるようにも見えた。 ―――きっと、顔も知らないこの戦いを終わらせた功労者さんたちは、《夢の国》を倒すだけでなく、救ってもみせたのだろう。 それに比べれば無にも等しいだろうけれど、自分の行動にも意味があったのだと信じたい。 もし、自分が戦ったことが、ほんの少しでも他の人の助けになれたのなら。 もし、自分が起こした行動の結果で、誰かがほんの少しでも救われたとしたら。 たとえ体がボロボロになっていても、それは悪くない、と思えた。 「・・・本当に、よかったですね?」 不意に聞こえた呟きに、今歩いているその隣に目を向ける。 無表情ながらも嬉しそうにわたあめを頬張る同居人二号・クイちゃんの頭越しに、同居人一号・トバさんの、暖かな笑顔が見えた。 しばし見つめ合ったあと、お互いからどちらからともなく、うふふ、アハハと笑い声が漏れだす。 なぜか突然笑いだした二人の間に挟まれる形となったクイちゃんは、きょとん、と不思議そうに首をかしげていた。 その様子がまた可愛らしくて、こっちとトバさんは笑みを浮かべながら顔を見合わせる。 全部終わったそのあとで、みんなで笑いあえるのならば。 ―――きっとどんなことが起こったとしても、それはハッピーエンドだろう。 きゅ、と握った手に感じるのは、小さな手のその温かさ。 あはは、と笑いかけたそのさきにあるのは、抱擁されるかのような笑顔。 《夢の国》の中の人たちも、彼らを助けるために必死になっていた人たちも。 (―――みんなが笑顔でありますように) ハッピーエンドを願いつつ、大切な人たちと祭りを楽しむ。 全くもって、幸せだ。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2153.html
都市伝説で10のお題 「トイレの花子さん」 全国各地の学校に存在する都市伝説「トイレの花子さん」 どこにでもいる、学校の怪談のアイドル 学校毎に語られる内容が違い、故に、姿正確能力多種多様 あなたは、どんな花子さんが好き? ちみっこ?中高生?それとも大人? 優しい花子さん?無邪気な花子さん?残酷な花子さん? 人間の味方?敵?? あなたの学校には、どんな花子さんがいるかな? あなたのいる学校は、私がいる学校かな? さぁ、早く誰か、私を呼んでくれないかな? 今から、とってもとっても、楽しみだな ねぇ、早く私を呼んで? 呼んでくれたら……… トイレに引きずり込んであげるんだからね!!!!!!!!!!!! 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/185.html
「いやっほぉおおおおぅ!!原稿が終わってないけど逃げてきた赤マントです」 「あぅあぅ、赤いはんてんなのです。久々にラジオ局に潜入なのです!」 「原稿って…お仕事何なんでしょうかー?」 「はっはっは、今夜の私はテンションが高いぞ!!」 「メタな事を言っちゃうと、中の人のテンションが高いのです。 今日も何か書くとかほざいておきながら、ネタが纏まらなかったらしいのです」 「言うな!中の人が色々と傷つくから言うな!!」 「…ま、中の人のテンションが落ちないうちに手紙を読むぞ!P.N「タバコ好き」さんより 『花子さんと契約している奴の家はどうなっているんだ』との事だが」 「家族に関しては以前の番組で話しましたけど、お家の構造は話してなかったのです」 「お話中では、お風呂とかがでてきてますよねー」 「今時檜風呂があるなんて、どんな家だよ、と私は思うわけだが」 「あぅ、トイレの都市伝説仲間として、あの家に入った事がある花子さんから、お話聞いた事があるのです。 …でも、『すっごく大きいの!』としか言ってくれなかったのです」 「あぁ…花子さん、子供だからな…」 「すっごく子供っぽい答えですねー」 「よって、それ以上はよくわからないのです」 「どうやら、木造平屋建てのでかい家、らしいな…結構古い家なのか?」 「そうなのかもしれないのです」 「次行くぞ!P.N「とある組織の末端」さんから 『あのヤンデレのチート能力を何とかしてください。それだけが、私の望みです』」 「あぅぅ、物凄い死亡フラグな台詞なのです!」 「中の人が何が好きなのかバレバレですねー」 「あのヤンデレ弟のチート能力に関しては、書き手が一番猛反省なんだがな」 「弱点を作っていても、弱点ついて来る敵を出さなければチートに変わりはないのです」 「ピンチになる話を考えてるって言ってませんでしたっけー?」 「今現在、VS給食おばさんネタを考えているらしい…が、戦闘シーンがしっくり行かずに投下ならずらしい」 「そもそも、給食おばさんの都市伝説を知っている人がどれだけいるか疑問なのです」 「まぁ、このスレはマイナー都市伝説でもドンと来いだから、大丈夫だとは思うがな」 「給食おばさんの都市伝説は、給食のおばさんが殺され埋められ、そこにアスファルトがしかれたが、一箇所だけ色が違って… と、言う感じの都市伝説らしいですー興味のある人はぐぐってみるといいかもですー」 「…さて、そんな訳でそろそろ時間だ!」 「それでは、今夜はここまでなのですよ」 「また来てくださいねー」 「「「ラジオde都市伝説、次回もよろしく!!」」」 前ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2155.html
都市伝説で10のお題 「口裂け女」 ひたひたひたと、夜道を歩く女が一人 ひたひた、ひたひた、ひたひたひた そんな女の前に、別の女が立ちはだかる 真っ赤なコートを着て、口元を大きなマスクで覆った女 「私、綺麗?」 「………綺麗よ」 突然の問いかけに、女はむすりとコートの女に答えた すると、女はすぅ、とマスクを外して 「…これでもぉ!?」 現れたのは、裂けた口 耳元まで裂けた口からは、鋭い牙が見えていて、まるで獣のよう ……しかし それでも恐れず、女は答える 「それでも、私より綺麗じゃない!!!!!!!!!」 ……… 口裂け女は、じっと女を見つめた その……美の基準は時代や国によっても違うけれど、その……現代日本では、どっちかと言うと……… ぽんぽん、と 同情したように、口裂け女は涙目でぷるぷる震えているその女の肩を優しく叩いたのだった 「単発もの」に戻る ページ最上部へ